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カナダについて
■司法制度

カナダは若い国だが、法制度は豊かな伝統に基づいている。ケベック州を除く全州で採用されているコモンローは、中世のイギリスで発達した原則に基づくものである。他方、ケベックの民法の原則は更に古く、古代ローマ帝国にまで遡り、フランス法の規則の多くを反映している。

これらの伝統はカナダの法制度の土台になってはいるが、長年かけて、カナダ自身の必要性を満たすように修正されてきた。裁判所は、諸条件や状況の変化を反映した方法で法律を解釈している。


憲 法

憲法は国の最高法であり、法と正義の制度を決める枠組みを設定し、個人の基本的権利を定め、連邦政府と州政府の特性と権限を規定している。


政府の体制

カナダの連邦制度の下で、立法権は、カナダ連邦議会と州議会とに分割されている。

連邦政府は、カナダ全体にかかわる事項、例えば、州の間の通商、国防、刑法などを扱う。また、先住民族および彼らの保留地を管轄する。

州議会は、教育、財産権、裁判、病院、地方自治体、その他州内の地域または民事問題等の分野で法律の制定権をもっている。また、駐車規制や地域内の建築基準などの問題を取り扱う地方自治体を創設することが出来る。


権利と自由の憲章

1982年、「権利と自由のカナダ憲章」が憲法の基本的な一部となった。「憲章」はカナダ在住の各人の基本的権利と自由を定めており、全ての政府はそれを尊重しなければならない。これらの権利が侵害されたと思ういかなる者も、救済を求めて裁判所に訴えることが出来る。連邦法または州法が「憲章」と矛盾しているとき、裁判所はそれが無効だと宣言することが出来る。

「憲章」は次の分野において、基本的権利を守る。

憲法は、カナダの先住民に関して既存の固有の権利および条約上の権利を認め、確約している。


国際法

カナダはまた、慣例や条約に基づく国際法の規定に支配されている。多くの問題は国内だけでの対処は不可能であり、数カ国の政府の協力を必要とする。国境を越えた汚染、越境・回遊漁業資源、国際的なマネーロンダリング、貿易問題などはその数例である。


立法および規則制定

法律は、憲法が定める範囲内で、連邦議会または州・準州の議会が制定する成文法によって作られ、あるいは変更される。

連邦議会や州議会の議員は、誰でも新しい法案を提出出来るが、ほとんどの法案はまず政権を担当している政府が上程する。法案はすべての議員の検討に付されなければならず、議員はそれを審議する。議会の過半数の承認があれば、法案は成立する。連邦法は連邦議会の上下両院の承認と裁可を必要とする。


コモンローと民法

財産権、家族の責任、商取引など、個人間の民事問題を扱う法律は州によって異なる。この分野の法律は、カナダの10州のうち9州ではコモンローに基づいている。コモンローは、裁判所が下す判決に基づく制度で、この判決が「判例」となって法の基本原理を確立する。

ただし、ケベック州の法律は、種々の状況に対する一般的な原則や規則を網羅した成文の「民法典」に基づいている。民法の下では、裁判官はまずこの成文法を参照し、次にこれまでの判例を参考にする。

コモンローと民法では方法が異なるが、結果はほとんど同じになることが多い。


裁判所

カナダの法律は、裁判所によって解釈・適用される。裁判所を主宰するのは、独立を保障された裁判官である。各州にはそれぞれの裁判所があり、連邦法および州法の下に生じた案件を扱う。さらに連邦議会によって設立された幾つかの特別管轄裁判所と控訴院であるカナダ最高裁判所がある。

州の裁判所は、一般に2つの段階に分かれている。ひとつはほとんどの刑事事件を扱う州裁判所。ここには少額の金銭のからむ紛争を扱う少額請求裁判所や、少年・家庭裁判所も置かれている。これらの裁判所の裁判官は、州政府が任命する。

2番めの段階は、州の上級裁判所である。ここでは刑法、民法共に特に重大な裁判を扱う。上級裁判所の更に上には州の控訴裁判所があり、下級裁判所からの控訴を扱う。この裁判所の裁判官は、連邦政府が任命する。

連邦議会によって設立された連邦裁判所は、(州の上級裁判所と同様)連邦政府に対する訴訟を扱う。また、特許法、著作権法、海事法に関わる問題、連邦委員会・審判所からの上訴、国家歳入を扱うカナダ租税裁判所からの上訴も扱う。

カナダにおける最上級の裁判所は、最高裁判所である。ここは州の上級裁判所や連邦裁判所からの上訴を審理し、その決定は最終決定である。

さらに、州政府や連邦政府は、放送免許や安全基準、労使関係などの事項を扱う幾つかの専門委員会や審判所を設けている。


法の執行

カナダの国家警察は、ロイヤル・カナディアン・マウンテッド・ポリス(RCMP)と呼ばれ、連邦政府が管轄している。RCMPは、刑事法および麻薬取締法を重点に、多くの連邦法の執行に当たっている。

RCMPは、ユーコン準州、ヌナブト準州とノースウエスト準州では唯一の警察である。8つの州では、重要犯罪の捜査における市警察への協力やハイウエーパトロールなど、州内の警察業務遂行にも従事している。オンタリオ州とケベック州は、自州の警察をもっている。

一部の地方自治体は地方警察を採用している。地方自治体に警察がない場合は、連邦警察または州警察がこうした業務を提供する。


法的助言

弁護士業務は、州・準州の弁護士組織(法曹協会)によって規定されている。これらの組織は、各州・準州における弁護士資格基準を決定する。

全ての州・準州は、資力の限られた人々に無料または低料金で法的助言を与える公費司法扶助制度を設けている。具体的な利用資格は州によって異なるが、所得の多寡にかかわらず、誰でも必要に応じて正規の弁護を受けられるという目的は同じである。


2009-12-08 更新


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