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カナダについて
■多文化主義

カナダにおける民族と人種の多様性

多文化主義はカナダ社会の基本的な特徴である。カナダの社会は常に多元的で多様であり、今後はその傾向がさらに強まるものと思われる。既にカナダの人口の約5分の2が英国、フランス、先住民族以外の血統をひとつ以上持っている。


多文化主義とは?

1971年、カナダは世界で初の多文化政策を導入した国となった。政府は1986年に「雇用均等法」を、1988年に「カナダ多文化主義法」を制定した。

長い歴史を持つカナダの人権擁護の法律に基づいた多文化政策は、自国の民族と人種の多様性を認識し、尊重することを確認するものである。カナダ多文化政策は、経済、社会、文化、政治生活における平等の達成に向け、連邦政府に特定の方向付けを課している。政府は多文化政策を通じて、尊敬、平等、そして人種や民族的ルーツ、言語、宗教に関わらず、全ての国民の完全な参画に基づいた、より包括的な社会の構築を目指すとするものである。

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の文化・開発世界委員会が最近発表した報告書は、カナダの多文化主義のアプローチを、他国が見習うべき手本として挙げている。カナダは、この分野で現在、世界で最も進んだ国と認められている。


連邦政府の多文化プログラム

カナダ民族遺産省は1997年、連邦政府の多文化プログラムを再編成した。新しいプログラムは以下の3点を主要な目標としている。


キャンペーンと促進活動

促進活動は、多文化主義と人種差別について国民の理解を深め、カナダにおける民族と人種の多様性の問題に関して、情報に基づいた国民の対話と行動の奨励を推進するものである。


3月21日キャンペーン「止めよう! 人種差別」

「3月21日キャンペーン」は、多文化プログラムの活動の中心となるものである。この全国キャンペーンの目的は、「世界人種差別撤廃の日」に対する国民の意識を高めることにある。このキャンペーンは、コミュニティ・グループ、学校、教育委員会、カレッジ、大学、民間企業、議員、マスコミなどの参加を得て、国内各地で幅広い活動を展開している。


マシュー・ダ・コスタ賞

1996年に議会は2月を「黒人の歴史の月」と正式に指定し、多文化プログラムの一環としてマシュー・ダ・コスタ賞を設けた。この賞は異文化間の理解を促進し、若い人たちが、カナダのアイデンティティを形成している多様性と共有体験を尊重する意識を深めるための有意義な手段となっている。


メディアにおける多文化主義

1991年に成立した「カナダ放送法」は、カナダの放送制度は番組編成と雇用機会を通じて、多様性をもった社会のニーズに応え、多文化・多民族的なカナダの特質を反映するべきである、と規定している。

主要メディアは少しずつ多様性という国の特質を反映させてきている。「North of 60」、「Degrassi Junior High」、「Jasmine」、「Ces enfants d'ailleurs」といった人気テレビ番組はこの傾向を雄弁に伝える例である。カナダ映画・テレビ・アカデミー(Academy of Canadian Cinema and Television)は、多文化プログラムが資金提供する「カナダ賞/多文化主義のジェミニ賞」という特別なジェミニ賞を設けている。同賞はカナダの文化的な多様性を最もよく反映させた、優秀な主要テレビ番組に授与される。

カナダでは民族的なラジオ・テレビ放送も盛んである。13のラジオ局が、特定のエスニック・グループ、特にイタリア系、ウクライナ系、ドイツ系、ギリシャ系、ポルトガル系、中国系コミュニティ向けに放送している。トロントにはすべてをエスニック系向けにしたテレビ局があり、オンタリオ州全域で視聴が可能だ。5つのエスニック主体の有料テレビ局が認可を受けており、エスニック向けの番組を取り入れているラジオ局は60局を超える。多数のケーブル放送会社もコミュニティ・チャンネルで様々な言語の番組を放送している。

新聞・雑誌メディアでは、特定のエスニック・グループを対象とする新聞の数々が80年以上の歴史を持ち、全国で発行されている。トロントだけでも、日刊、週刊、月刊あるいは季刊の様々な民族系出版物が100種類以上ある。40を超える民族向けに新聞・雑誌が刊行されており、マクリーンズ(Maclean's)誌の中国語版など、その多くは全国版だ。


多文化主義とビジネス

カナダの多様性は、国内市場でも、国際市場においても財産であり、カナダの経済的繁栄に大きく貢献していると認識されてきている。

カナダ・コンファレンス・ボード(民間の予測調査機関)は、企業、産業・貿易団体と協力し、カナダの組織がカナダの言語および文化的な多様性を国内外で優位に活用できるよう、新たな方法を模索してきた。また、カナダの連邦事業開発銀行は主要都市の、民族系経済諸団体と定期的な協議の場を設けている。

カナダの多文化的な特質は拡大しつつあるグローバル市場において、これまで以上に大きな財産となろう。カナダの企業はこの恩恵に気付き、国際市場における競争を成功させるために必要な言語力と文化的技能を獲得するため、労働力の文化的な多様性を頼りにしている。


芸術的・文化的・創造的表現

カナダの芸術文化機関は、様々な文化的多様性のニーズに応え、また、多様な文化的背景を持つ芸術家や文化関係の労働者による貢献を反映させるべく努めている。カナダの文化は、世界各地に民族的ルーツを持つ芸術家たちによって豊かさを増している。様々なコミュニティ出身のアーティストの多くは、カナダ人としてのアイデンティティを定義し、反映させる文化機関への公平なアクセスを求めており、また、新たな文化モデルとしての新しいカナダ文化の定義を体現している。

様々な民族的背景を持つ作家や文化人が多数、国内外で高く評価されてきている。ニノ・リッチ(Nino Ricci)は小説「The Lives of the Saints」でカナダ総督文学賞を受賞。ジニー賞を獲得したミナ・シャム(Mina Shum)監督の映画「Double Happiness」は北米各地で上映され、アトム・エゴヤン(Atom Egoyan)の映画作品は世界中で評判となっている。これらの作家は3人とも、初期の頃に多文化プログラムの支援を得ている。名高いベニス・ビエンナーレにカナダを代表して参加したエド・ポワトラ(Ed Poitras)やスタン・ダグラス(Stan Douglas)などのビジュアルアーティストは、内外でカナダのアーティストに対する認識を拡大し、作り変えている。

多文化主義はカナダ社会にしっかりと組み込まれている。多文化主義をカナダのアイデンティティと民族文化遺産の基本的特徴として認識することによって、あらゆる文化的ルーツのカナダ人が、平等、分かち合い、社会正義、経済的繁栄という共通の目標に貢献する機会を持つのである。


2009-12-08 更新


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