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| ■ユーコン準州 |
| 地 理 |
カナダの北西部に位置するユーコン準州は、面積48万3,450km2。ほぼ三角形をし、南はブリティッシュ・コロンビア州、西は米国アラスカ州、東はノースウエスト準州と境を接した、山がちの準州である。三角形の頂点をなす州北端は、ボーフォート海の冷たい水に洗われている。南西部のローガン山は、標高5,959mのカナダの最高峰である。
ユーコン準州は、タイガとツンドラの地理的に2つの地方に分けられる。タイガは地球の亜北極地帯をぐるりと囲む亜寒帯森林で、ユーコンは大半がここに属している。ツンドラ地帯は、北極地方の広大な岩だらけの平原で、厳しい気候条件のために植物が育たない。
ユーコン準州は亜北極気候に属する。大半の地方が高い標高と半乾燥気候にあり、比較的暖かくて長い夏には、気温が25℃になることも稀ではない。冬の気温は南の地域で4℃からマイナス50℃までの幅をもち、北ではそれより更に少し寒い。
州の中で北緯66度以北の北極圏にある地方は"真夜中の太陽が見られる土地"として知られている。夏の3ヵ月間は太陽がほとんど沈まないからだ。逆に、冬には一日中太陽が昇らず、辺りは暗闇のままだ。1年の4分の1は、こうした日が続く。
| 歴 史 |
ユーコンという名前が初めて使われたのは、1846年にハドソン湾会社の商人ジョン・ベルが、この地方を「ユーコン」と呼んだときだ。ルーシュー族インディアンの言葉で「最も偉大なる川」を意味する「ユーコー」に由来する。ユーコン川は、北米第5位の川である。
ユーコンは、カナダで初めて人が住みついた土地である。文化人類学者によれば、アメリカインディアンの祖先が今から1万年から2万5千年前に、アジアからベーリング海沿いの陸を渡ってきたらしい。
近代になってこの地を訪れた最初のヨーロッパ人は、ロシアの探険家だった。彼らは18世紀に沿岸づたいにやってきて、土地の先住民と取り引きをした。1825年、英国人ジョン・フランクリン卿がユーコンの北極海沿岸に停泊しており、1840年代にはハドソン湾会社が内陸部へと分け入った。
米国の商人らがやってきたのは、1867年、ロシアがアラスカをアメリカ合衆国に譲渡してからのことである。1896年、ドーソン・シティ近郊クロンダイクで金が発見され、そこは北西カナダで最も人口の多い地域のひとつになった。クロンダイクのゴールドラッシュで人口が急増したため、連邦政府はユーコンの自治裁量権を拡大することになった。1898年、ユーコン準州が正式に発足し、カナダの管轄区域ということが確定した。ユーコン法では行政府に長官を置き、選挙による立法議会の制度を規定している。
それからざっと40年後の第二次世界大戦中に、米国はアラスカ・ハイウエーを建設、新しい陸上輸送ルートができた。1979年、カナダ政府は、北極圏を通る、カナダで初の全天候道路デンプスター・ハイウエーを開通させた。
ユーコンは、1979年に州に準ずる政治形態を造り上げたが、完全な州の地位をもたない準州である。水域、土地、森林のほか、全ての非再生資源(鉱物、石油、天然ガス)に関しては、連邦政府が管理権を持っている。
1970年代に、ユーコン・インディアンの土地請求権交渉が持ち上がってきた。1993年、ユーコン・インディアン協議会と連邦政府、そしてユーコン準州政府の三者は、ユーコン内の土地請求権の問題を最終的に解決する条件を決めたアンブレラ最終協定に調印した。同様の協定が、ブントゥット・グイッチン・ファースト・ネーション、シャンパーニュ・アンド・アイシヒク・ファースト・ネーション、テスリン・トリンジット・カウンシル、そしてファースト・ネーション・オブ・ナチョ・ニヤク・ドゥンとも結ばれた。これらの協定によって、土地の権利を確認したほか、補助金や土地の分与、野生生物その他の管理委員会への参加の道が開かれた。
土地請求問題が解決したほかにも、4つのファースト・ネーションは、定住地の土地利用管理権を拡大し、言語や医療、公益事業や教育などの分野の権限を拡大する自治協定を結びたいと交渉を続けた。
| 人 々 |
ユーコンの広大な内陸部森林地には、昔からアサパスカ族が住んでいた。言語を含めた彼らの文化的伝統は、1,000年以上も前から続いている。今日では大別して6つのアサパスカ族内のグループ、クッチン、ハン、トゥトチョネ、インランド・トリンギット、カスカ、タギシュがある。
ユーコン州の人口は、約3万700人。その21%が先住民である。準州民の約70%は準州都ホワイトホースに住んでいる。
| 経 済 |
ユーコンの最大の産業は鉱業で、州経済の30%以上を占めている。比較的手つかずのユニークな環境の中で自然を体験できる観光業も、新たな雇用とサービスを生み出している。最近、例えば林業などの他部門を育てる努力がなされている。
毛皮貿易は先住民にとって重要な分野だ。漁業はサーモンを輸出する小規模なものがドーソン・シティを中心に営まれており、また地域の消費者を相手とした漁業も行なわれている。
農業は、北米の基準からいえばコストが高くつくが、それでも小規模ながら少しずつ伸びている。気候条件や農耕地が限られていることから、農業の成長も限界があるが、新しい研究計画により、将来的には有望である。
2009-12-08 更新
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